ワキガは優勢遺伝する
ワキガは残念ながら親から子供へと遺伝してしまいます。「両親がワキガ体質ではないのに、なぜ私はワキガ体質なのだろう?」という方もいらっしゃるのではないかと思いますが、ワキガは体質ですから、病気のように突然ワキガになるわけではなく、体質を親から受け継いでいます。つまりワキガは生まれつきの体質です。
両親がワキガ体質でない場合には、祖父母にワキガ体質の方がいらっしゃるはずです。これは隔世遺伝と呼ばれる現象です。実際には祖父母から親にも体質が遺伝しているのですが、親の代でワキガが発現していなかっただけで、世代を飛び越え子供の代なって発現したものです。
また、遺伝には優勢遺伝と劣勢遺伝がありますが、ワキガは優性遺伝です。一般的に優勢というと優れた状態を指し、劣勢というと劣っている状態を指しますが、遺伝の場合に使われる優勢、劣勢の表現は、これとは意味が違っています。
優性遺伝と聞くと、優れたものが遺伝するように思いがちですが、優性遺伝とは、なにも優れたものが遺伝するという意味ではなく遺伝しやすいという意味です。遺伝で使われる優勢は遺伝する力が強いという意味で、劣勢は遺伝する力が弱いという意味を表しています。
ワキガの遺伝率は
ワキガの遺伝率はどれ位なのかというと、父親か母親のどちらかがワキガであるケースでは、子供への遺伝率は約50パーセントです。両親共にワキガの場合の遺伝率は、約75~80パーセントと更に高い確率でワキガ体質を受け継ぎます。
ワキガ体質を受け継いでいても、ワキガ臭がし始める時期には、個人差があります。子供の頃からワキガ臭がする方もいらっしゃいますが、ワキガの臭いの原因になるアポクリン汗腺が発達する思春期の頃からワキガ臭がしはじめることがほとんどです。
思春期はとても感受性豊かな時期です。親にも友人にも相談できずに、ワキガの臭いを一人で思い悩む場合も多くあります。悲しいことですが、往々にしてワキガ臭がいじめの対象になることもあります。
親御さんが子供のワキガに気付いたら、ワキガは決して特別なことではないことや、どうやって臭いの対策をしたらよいのかなどを一緒になって考え、そして優しくアドバイスをしてあげてください。
ワキガの遺伝と関係あるのかないのか分かりませんが、緊張しやすい性格の方やストレスをためやすい性格の方も、ワキガの原因になるアポクリン汗腺から汗をかきやすい、つまり、ワキガの臭いがでやすい人が多いとされています。