皮脂腺から分泌される油脂が臭いをひどくします
体温調節を行う働きを持っているエクリン腺や、ワキガ臭の原因になるアポクリン腺のような汗腺ではありませんが、もうひとつ人間には皮脂腺という腺組織が全身に分布しています。
皮脂腺は、油脂を分泌して肌のうるおいを保つという役割や、細菌の侵入を防御するなど、肌にとって重要な働きを持っている腺組織です。この皮脂腺の活動が活発になり過ぎると、ワキガの臭いや汗の嫌な臭いを助長してしまいます。
皮脂腺からでる油脂の出口は、ワキガ臭の原因になる汗を出すアポクリン腺と同じく毛穴です。この毛穴からでた油脂に脂肪酸が増え過ぎると、雑菌が喜ぶエサになり雑菌の繁殖を促してしまいます。雑菌が分泌物を分解することによって、ワキガや汗の臭いが発生します。
皮脂腺の活動が活発になるのは
どういった場合に皮脂腺の活動が活発になり過ぎるのかというと、動物性の脂肪を摂取しすぎた時などです。「青春のシンボル」といわれるニキビは皮脂腺の炎症なのですが、動物性の脂肪を取りすぎた時にニキビがたくさんできてしまったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
このことからも分かるように、ワキガ体質の方のワキガ対策という意味では、動物性脂肪を取り過ぎないようにするのも大きなポイントになります。ワキガと食生活、一見何ら関係のないように思える間柄なのですが、食生活もワキガと密接で意外な関係があるのです。
ワキガ体質ではなくても汗の臭いがひどくなります
動物性脂肪を摂り過ぎると、ワキガ体質ではなくても汗の臭いがひどくなります。日本人より体臭がきつい、日本人よりワキガ体質の割合が高いとされる欧米人と日本人との体臭の差のひとつの理由になるのは、日本人より欧米人の方が動物性の脂肪をより多く摂取することです。
動物性の脂肪を摂取することにより、ワキガの原因になるエポクリン汗腺が活発になりますが、同時に体温調節のためのエクリン汗腺からでる汗の臭いもひどくなってしまいます。
動物性脂肪を多く摂取すると、皮脂腺から分泌される脂肪酸も増えます。脂肪酸が増えるとエクリン汗腺からでた汗は雑菌の活動を助長してしまい、結果として汗の臭いをひどくします。
ワキガ体質である場合には、皮脂腺が多く分泌されることでエクリン汗腺から出る汗もアポクリン汗腺からでる汗も臭いをひどくしてしまいます。動物性脂肪を摂りすぎないように気する必要があります。
ワキガ体質ではなくても、体臭が気になるという方は同じようにエクリン汗腺からの汗の臭いをひどくしてしまいますので、動物性脂肪の摂取量には注意しておきましょう。